みなとみらいレディースクリニック【みなとみらい駅徒歩1分 横浜/婦人科・産科】

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ピル(OC・LEP)

ピルは、避妊目的だけでなく、月経痛、月経不順、月経前症候群など、生理に関連した不快な症状の改善にも使われています。初めて服用する場合には不安がたくさんあると思います。当院では自費診療のピル、保険診療のピルともに多くの処方実績がありますので安心してご相談ください。

ピル(OC・LEP)とは

ピル(OC・LEP)とは、エストロゲンとプロゲスチンという二つの女性ホルモンの成分が含まれた薬剤のことです。避妊を目的として自費診療で処方されるものをOC(oral contraceptive)、月経困難症や子宮内膜症に伴う疼痛などの治療を目的として保険診療で処方されるものをLEP(low estrogen-progestin)といいます。両者は概念としては異なるものの実質的には同一の薬剤であり、海外では一括してOCとして使用されています。世界全体で1億人以上の女性が使用しており、日本でもピルユーザーは増えています。ピルには、健康と美容に役立つなど女性の体にメリットがたくさんあります。

ピルの効用、効果

確実な避妊

正しく服用すれば、ほぼ100%の避妊効果が得られます。女性が、主体的に、絶対的な安心感をもって、性感をそこねることなく避妊できます。一方、コンドームは破れたり外れたりすることがあるため、失敗率が2~3%もあり注意が必要です。避妊はピル、性病予防はコンドームです。

月経関連の不調の改善

ピルには子宮内膜の増殖や子宮内膜からのプロスタグランディンの産生を抑制する作用があり、生理痛が軽くなります。また、生理の量も日数も減るため、貧血症状の改善も期待できます。さらに、生理前のイライラ、気分の落ち込み、頭痛、吐き気、むくみなど、いわゆるPMS(月経前症候群)の治療効果もあります。

ニキビの改善

ピルには男性ホルモンの産生と働きを減らす作用があり、皮脂の分泌が抑えられるため、いわゆる「大人ニキビ」に効果があります。また、ホルモンバランスが整うことにより、肌荒れ、多毛症が改善します。ニキビ治療のためだけにピルを使用している方もいらっしゃいます。

がんの予防効果

ピル服用中は排卵が抑えられているため、排卵による卵巣の損傷が減り、卵巣がんのリスクが低下します。また、ピルは子宮内膜増殖を抑制するため、子宮体がんのリスクが低下します。両がんとも、服用期間が長いほどリスク低下効果が高く、服用中止後もリスク低下効果は持続します。大腸がんのリスクが低下することも報告されています。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症による、生理痛、骨盤痛、排便痛、性交痛が軽くなります。また、内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)を縮小させる効果も期待できます。さらに、子宮内膜症で手術を行った後の再発予防効果もあります。

生理日のコントロール

普段からピルを飲んでいる方は、生理を起こす日を自由にコントロールできます。受験、旅行、スポーツの試合、結婚式など、大切なイベントに生理があたることなく快適に過ごすことができます。

ピルの服用方法

ピルは、1日1錠を毎日決まった時間に服用します。飲む時間は多少前後してかまいませんが、ずれ幅は4~5時間以内に収まっているのが理想的です。飲み忘れを防ぐ工夫として、食事や歯磨きの後、就寝前など、ご自身の生活リズムのなかに服用のタイミングを組み込むのがおすすめです。

ピルを飲み忘れた場合

1錠の飲み忘れに気付いた場合は、飲み忘れた錠剤をなるべく早く服用し、残りの錠剤は予定通りに服用してください(同じ日に2錠服用することになります)。避妊効果は維持されます。2錠以上の飲み忘れがあった場合はクリニックにご相談ください。具体的にご指導させていただきます。

ピルの費用

当院で取り扱っている自費のピル(OC)は、マーベロン、トリキュラーです。どちらも1シート2500円(税込)です。初回処方時のみ初診料500円(税込)がかかりますが、2回目以降の処方時には、再診料などはかからず薬代のみとなります。

保険のピル(LEP)は、すべての種類のピル(ヤーズ、ドロエチ、ルナベル、フリウェル、ジェミーナ)の処方を行っております。保険診療に基づいた自己負担が発生します。最近は費用負担の少ないジェネリック医薬品を希望される方が増えています。

ピルの副作用

ホルモン量を低く抑えている現行のピル(OC・LEP)は、非常に安全性の高いお薬ですが、以下のような副作用が出る場合があります。

マイナートラブル

服用を始めて最初の1~2周期に、軽い吐き気、頭痛、乳房の張り、少量の出血などがみられることがあります。いずれも程度は軽く、続けていくとなくなることがほとんどですので心配ありません。

血栓症

重大な副作用として血栓症(血管の中で血液が固まってしまい、血液が流れなくなる病気)がありますが、基礎疾患のない非喫煙者では稀な副作用です。妊娠中や分娩後と比較すると、ピル内服による絶対リスクは低いことが分かります。

年間10,000人あたりの静脈血栓症発症リスク

ピル非使用 1~5 /10,000人年
ピル使用 3~9 /10,000人年
妊娠中 5~20 /10,000人年
分娩後12週間 40~65 /10,000人年

ただし、足の痛み・腫れ、息切れ、胸の痛み、激しい頭痛、舌のもつれ、目のかすみなどの症状がある場合には、血栓症の可能性がありますので、服用を中止してクリニックにご相談ください。

ピルに関するQ&A

将来妊娠しにくくなりますか?
将来妊娠しにくくなるということは全くありません。むしろ妊娠希望の時期までピルで排卵を抑えておくことで子宮内膜症を予防することができ、子宮や卵巣を良い状態に保つことができるともいえます。
太りますか?
ピルの成分により太ることはありませんのでご安心ください。ピルの体重変化に対する影響を調査した研究でも体重増加は認められませんでした。
吐き気や頭痛が起きますか?
ほとんどの方で起きません。あっても程度は軽く、続けていくとなくなることがほとんどですので心配ありません。
性病の予防はできますか?
ピルでは性感染症(HIV、梅毒、クラミジアなど)の予防はできません。感染予防にはコンドームの併用をおすすめします。避妊はピル、性病予防はコンドームです。
体にとって不自然なのでは?
ピルで排卵を止めていることを不自然と考える必要はありません。昭和初期の女性は20歳くらいから5~6回出産し授乳期間も長いというライフスタイルで、生涯の月経回数は50回程度であったといわれています。それに比べ現代女性は出産回数も少なく、生涯の月経回数は450回にもなります。排卵回数が多い現代女性の方がむしろ不自然ともいえます。