診療案内
Medical Information
婦人科腫瘍
代表的な婦人科腫瘍として、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮頸管ポリープがあります。これらが原因となって、生理痛、不正出血、性交痛、性交後出血、骨盤痛、排便時痛、貧血、不妊、流産などが起こることがあります。適切な対応や治療で改善が期待できることが多いので、ご心配がある場合や、健診などで指摘された場合にはご相談にいらしてください。

子宮内膜症
子宮内腔(子宮の内側)にしか存在しないはずの子宮内膜様の組織が、子宮以外の場所に発生し、月経周期にあわせて増殖と剥離を繰り返すことで炎症や癒着を引き起こす病気です。卵巣にできたものを「子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)」、子宮筋層内にできて子宮全体が腫れるものを「子宮腺筋症」といいます。
症状
主な症状は、生理痛が強いことです。また、性交痛、慢性の骨盤痛、排便時痛などがある場合もあります。子宮腺筋症では生理時の出血量が多くなるため、貧血になることもあります。チョコレートのう腫は、周囲に癒着を引き起こし、不妊の原因になることがありますので、早めの診断と治療が必要です。
診断
病歴などの問診に加え、内診、経腟超音波検査、採血検査などで診断します。内診や経腟超音波を希望されない場合は、経腹超音波で代替いたしますので遠慮なくお申し出ください。MRI検査が必要な場合には、提携先の医療機関に予約をいたします。
治療
薬物療法と手術療法があります。手術が必要なケースはそれ程多くはなく、低用量ピル(OC・LEP)や黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト)で治療することが多いです。年齢、症状、妊娠希望の時期、ライフスタイルなどを考慮して最適な治療法をご提案させていただきます。
子宮筋腫
子宮の壁にできた良性の腫瘍(こぶ)を子宮筋腫といいます。婦人科腫瘍の中でもっとも高頻度なものであり、小さいものも含めると30歳以上の女性の20~30%にみられます。無症状で日常生活に問題ないことも多いですが、大きさや部位によっては症状が強くなるため、治療を必要とすることもあります。
症状
筋腫が子宮内腔を圧迫することにより、生理時の出血量が多くなり貧血を引き起こします。健診などで貧血を指摘された女性に見つかることも少なくありません。生理痛、不正出血、腰の痛み、お腹の張りや重苦しさ、頻尿などが起こることもあります。また、不妊や流産の原因になることもあります。
診断
病歴などの問診に加え、内診、経腟超音波検査、採血検査などで診断します。内診や経腟超音波を希望されない場合は、経腹超音波で代替いたしますので遠慮なくお申し出ください。MRI検査が必要な場合には、提携先の医療機関に予約をいたします。
治療
薬物療法と手術療法があります。薬物療法では、低用量ピル(OC・LEP)や女性ホルモンを抑えて閉経状態にさせる薬(レルミナ)を使用します。手術療法では、筋腫だけを摘出して子宮を温存する筋腫核出術、根治を目的として子宮全体を摘出する子宮全摘術があります。年齢、症状、妊娠希望の時期、ライフスタイルなどを考慮して最適な治療法をご提案させていただきます。
卵巣腫瘍
卵巣にできる腫瘍で、悪性(がん)、良性(卵巣のう腫)、境界悪性(良性と悪性の中間)があります。良性でも、タイプによっては悪性に変異することがあるので注意が必要です。
症状
ある程度以上の大きさになるまで症状が出ないことが多いですが、大きくなると、お腹の張りや苦しさ、下腹部痛、頻尿、便秘、不正出血などの症状が出ます。破裂したり、ねじれたり(茎捻転)すると、激痛となり緊急手術が必要になります。
診断
病歴などの問診に加え、内診、経腟超音波検査、採血検査などで診断します。内診や経腟超音波を希望されない場合は、経腹超音波で代替いたしますので遠慮なくお申し出ください。MRI検査が必要な場合には、提携先の医療機関に予約をいたします。
治療
悪性や境界悪性が疑われる場合は手術療法が基本となります。良性の場合には、治療なしで経過をみる、薬物療法、手術療法があります。子宮内膜症性のう胞(チョコレートのう腫)に対しては、低用量ピル(OC・LEP)や黄体ホルモン製剤(ジエノゲスト)で治療することが多いです。手術療法が必要と判断される方には最適な医療機関をご紹介いたします。
子宮頸管ポリープ
子宮の入り口から腟に向かって突出する良性の腫瘍です。多くの場合は無症状で、子宮がん検診の際に偶然見つかることが多いですが、性交後出血、おりものが増える、不正出血などの症状を起こすこともあります。まれに悪性のことがありますから、見つかった場合は切除し、病理組織検査で確定診断を行います。ほとんどの場合、痛みもなく切除できます。